部下や取引先などと揉めない会話術

From:伴走(Together Run)金子誠志

人が抱えるストレスのほとんどは、
コミュニケーションに起因します。

仕事上でいえば、
経営者であるあなたの場合、
部下や協業先、取引先だけでなく、
時にお客さんとのやり取りにおいても
ストレスになることがありませんか。

G社長の悩み

今日は、そんな一人である
Gさんにご登場いただき、
お伝えしたく思います。

Gさんは、6人の社員を抱える経営者。
特定分野に特化したソフトウェアを
メインに事業を展開されています。

そんなGさんが直近において
最も頭を悩ませているのが
同世代の入社1年の社員。

Gさん、こんな風に話してくれました。

 金子さん、辞めさせたい社員がいます。
 でも、辞めさせるとなると法律上、
 いろいろと面倒じゃないですか。

 それで少しお知恵を
 貸してもらえませんか。

懇願され採用してしまった人員

Gさんが辞めさせたいという社員は、
実は高校時代のGさんの同級生。

その彼が勤めていた会社が倒産し、
Gさんに泣きついてきたとのこと。

彼を仮にXさんとしましょう。

GさんとXさんは、
卒業以降もたまに会う
飲み友達だったとのこと。

Xさんには中学生のお子さんがおり、
すぐにも次の職に就きたかったそう。

ですが、事務職の経験しかなく、
50歳を超えていたことから
転職に苦戦していたとのこと。

Xさん、Gさんの業界はずぶの素人。

ですからGさん、採用を悩まれますが、
頼まれると嫌といえない性格のGさん、
Xさんに懇願され、いくつか条件を付け、
働いてもらうことを了承したようです。

社長を呼び捨てにするXさん

条件の一つが、会社においては
上司部下の関係を徹底すること。

ところが、Xさん、照れもあったのでしょう。
最初は「社長」と呼んでいたそうですが、
しだいにGさんを名前で呼ぶように。

しかも、長年同級生として接していますから、
Gさん(の苗字)を呼び捨てにするとのこと。

Gさんとしてはそれが気になっていましたが、
特段の注意などはせずに来てしまったそう。

そんな折、Gさんが取引先の社長と飲んだ際、
その社長からこんな指摘を受けたのだとか。

 Gさん、あなたのところのXさん、
 ちょっとまずいんじゃないかな。

 先日、私が訪ねた時だけど、
 Gさんを呼び捨てだったよね。

 社長を呼び捨てにする社員って
 あまり好ましくないように思うけど、
 その辺り、Gさんはどう考えているの。

火種の内に解決を目指そう!

呼び捨て問題が気になっていたGさん、
取引先からも指摘されてしまい、
私へ相談することにしたと。

Gさんには、改善に向け、
じっくり話す場を設けるなど
いくつかの対策を提案しました。

今日お伝えしたかったテーマは、
部下や取引先などと揉めない会話術。

ですが、呼び捨て問題の改善は
表面上は穏やかに進んだとしても、
たぶんXさんにしこりを残すでしょう。

なぜなら、Xさんからすると
一年も呼び捨てを放置しながら、
今頃になって文句をつけてきた
と解釈する可能性が高いから。

この問題、Xさんが最初に呼び捨てにした際、
Gさんがそれをやめるように指摘していたら
後を引くことなく、終わっていたでしょう。

関係者と揉めないために

部下や取引先などと揉めないためには、
揉めそうなことをあらかじめルール化し、
その上で気になる問題が起きた場合、
速やかに、可能ならその場で整合
する。

それが揉めないための原則。

もちろん、相手のメンツを立て
場所を変え話す、といった配慮も
必要に応じ、すべきでしょう。

ですが、
時間を置かず、
という点は重要。

ハインリッヒの法則ではないですが、
経営者は小さなシグナルにこそ、
速やかに反応すべきですね。

PS

その後、GさんとXさんはどうなったか。
2時間ほど、じっくり話し合っていただき、
少なくとも表面上は解決に至ったそうです。

Xさんの内心は定かではありませんが・・・。

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