From:伴走(Together Run)金子誠志
ビジネスにおいて重要なものの一つ、
それがお客さんの声であることは
説明するまでもないでしょう。
今日は、Yさんにご登場いただきまして、
マーケティング、あるいは経営(判断)と
お客さんの声の関係を記したく思います。
Yさんの事業承継
Yさんは29期を迎え中規模となった創業社長。
Yさん、以前、こんな風に話されていました。
金子さん、四半世紀以上経営してきたけど、
その間、本当にいろいろなことがありました。
ビジネスに波があるのは変わりませんが
例えば信頼していた社員の裏切りとか、
一時期、ビジネスを一緒にやっていた人に
お金を騙し取られたこともあります。
コスト削減のための海外取引では
粗悪品に悩まされたこともありました。
自然災害で会社が傾いたこともあります。
ほんと経営って山あり谷ありです。
というか、山は小さいですが、
谷はかなり深かったです。
そんな苦労を重ねたYさんですが、
当時は間もなく60代という頃。
そろそろ後進に道を譲るタイミングと
この3年、準備を進めてこられました。
経営判断に自信を持てない!
そのYさんに今春お会いした際、
こんな発言が飛び出したのです。
金子さん、聞いてもらえませんか。
最近、判断に自信を持てないんです。
ご存じの通り、今は
仕事の多くを後進に譲り、
私は経営にシフトしています。
結果、会社の数字をチェックし、
3年後にどのようにあるべきか等、
先のことを考えるようになりました。
以前はそんなゆとりなどなく、
目先の数字を追うのがやっと。
でも、今は
社員達がそれを
担ってくれています。
ですから、先々を考え、
みんなが幸せを感じられる
環境を作ることが私の責務かと。
お客さんの声を遠ざけた結果・・・
判断する内容が以前と違う
ということはあると思いますが、
最近、自分の判断に自信を持てません。
そこで、詳しくお話を伺っていくと、
ある事実が浮かび上がってきました。
それが、お客さんとの接点の減少。
一般に中小企業や店舗の経営者は
トップ営業マンであることが多い。
Yさんもそんな一人でした。
ですから必然的に多くのお客さんと
顔を合わせ、話を聞かれていたのです。
ところが後進に道を譲る際、
Yさんが直接客先に出向いては
社員達がやりにくいだろうと考え、
意図的にお客さんとの接触を
減らされていました。
結果、ご自身のさまざまな判断に
自信を持てなくなられたようです。
経営判断にも“声”が活きる!
そこでYさんには、
後進の方達が喜んでくれるような
客先回りの方法をいくつかお伝えしました。
それから半年後の先般、
Yさんに久々に再会。
Yさん、こんな風に
教えてくれました。
金子さん、お客さんの声を聞くって、
本当に大切だと最近実感しています。
データ分析は大事なことですが、
生の声の貴重さはそれ以上です。
お陰さまで自分の判断にも
自信を持てるようになりました。
さて、Yさんのこの気づき、
あなたはどう思われます?
お客さんが発するさまざまな声は、
直近の施策検討に役立つのはもちろん、
経営判断にも大いに貢献してくれるもの。
継続的な声集め、
本当に重要です!
PS
お客さんの声を聞く際、
お薦めは『ヒアリング』。
できれば1時間以上取っていただき、
じっくり耳を傾けてみてください。
さまざまな気づき・ヒントが
得られることでしょう・・・。