事実と意見を分ける習慣を持とう!

From:伴走(Together Run)金子誠志

半分、水が入っているコップがありました。
それを見て「まだ半分もある」と考えるか、
「もう半分しか残っていない」と捉えるか。

これ、ポジティブ思考かネガティブ思考か、
という一例として使われることがあります。

それは事実or意見

では、この場合、事実はなんでしょう。
それはコップに半分の水が入っていること。

それを「まだ半分ある」と見るか
「もう半分しかない」と思うか。
2つはいずれも意見に過ぎません。

ビジネスにおいては、場面に応じ
ポジティブ思考とネガティブ思考を
使い分けるのは、当然のことかと。

経営者の場合、それ以上に重要なのが
事実と意見を区分する習慣を持つこと。

もちろん、日頃からあなた自身は、
事実と意見を分けているでしょう。

では、例えば部下と会話する時、
取引先との打ち合わせなどの場で、
あるいはお客さんとのやりとりで
2つを意識的に切り分けていますか。

部下報告における事実

ちょっと例を挙げてみましょう。
部下がこんな報告をしたとします。

 社長、先般取引を開始したA社が
 話が違うと、怒り出してしまいました。
 社長も一緒に聞きに行ってもらえませんか。

この場合の事実はなんでしょうか。
A社が怒っていることでしょうか。

いえ、それは正しくありません。
それは事実ではなく意見だから。

怒っている、というのは
あくまで社員が感じたこと。
つまりその社員の意見といえます。

ですから、この部下の報告には
事実が抜け落ちているわけです。

こういった場面においても
事実と意見を分ける習慣があれば
その社員に事実を確認することが可能。

◆どういったことが起きたのか
◆相手の言い分における事実はなにか
◆相手の意見(主張)はどういったものか

2段階思考を心がけよう!

事実と意見の切り分けができれば、
事実と(相手の)意見を踏まえた
適切な対処を行いやすくなります。

人は感情の生き物ですから、
喜怒哀楽に左右されやすい。
喜怒哀楽とは、意見のこと。

しかしながら、
経営を担う上では、
経営トップである社長は、
事実に焦点を当てる習慣が不可欠。

半分の水が入ったコップを見た時、
まずは半分という事実を押さえ、
その上でどう考えるのがベターか

物事が複雑化する一方の今、
そういった2段階思考が
ますます重要になっています。

PS

事実と意見の区分は大切ですが、
相手がそれに慣れていませんと、
質問攻めのような形になりがち。

すると相手は圧迫感を感じ、
感情的亀裂が生じやすい。

そうならないためには、
例えば部下との会話であれば
日常の“ほうれんそう”において
2つを意識的に区分する会話を
重ねていくしかないでしょう。

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