自分で考える部下に育てる方法

From:伴走(Together Run)金子誠志

社長自ら取り組めることには
当然ですが限界があります。

だからこそ組織が活きるのですが、
一方、それが悩みの種となっている、
そんな経営者も少なくありません。

あなたはいかがですか?

年中無休になったNさん

今日は、そんなお一人だったNさんが
その問題をどう乗り越えたか、
その方法をご紹介します。

Nさんは20人ほどの社員を束ね、
サービス系ビジネスを営む経営者。

私がNさんのお手伝いを始めた頃。
こんな風に話してくれました。

 みんな頑張ってくれているんですけど、
 もっと自分で考えて欲しいんですよね。

 みんなまめに報告してくれます。
 それ自体は本当にありがたいことです。
 でも最後は「どうしましょう?」なんですよ。

 平日は常にそんな状況ですから、
 自分の仕事に手を付けられません。

 結果的に土日は家で黙々と仕事、
 それが普通になってしまいました。

Nさんとしましては、
社員それぞれが考え判断し、
行動してくれることを望んでいた
のです。

メリットvs.デメリット

そこでNさんに詳しく事情を伺うと、
そうなってしまう原因が見えてきました。

Nさんと部下のやり取りは
以下のような感じだったのです。

 部下が問題をNさんに報告
     ↓
 Nさんが対処法を部下に指示
     ↓
 部下が経過/結果を報告
     ↓
 必要に応じNさんが再指示
     ↓
 以下、問題解決まで繰り返し

Nさんに全ての情報が集まりますから、
全体を把握できるというメリットはある。

他方、これだと業績が上向くほどに
Nさんの仕事が増えていくことになる。

その時点でも休みがない状態でしたから
そのままでは仕事が回らなくなります
それはデメリットでしかありません。

部下が考えざるを得ない会話術

そこでNさんに取り組んでいただいたのが
部下自ら考え行動せざるを得なくなる会話術。

Nさん自身も最初は戸惑ったそうです。
ですが、ひと月もすると互いに慣れたそう。

そして3ヶ月もすると、
劇的な効果が出始めます。
Nさんの仕事が減り始めたのです。

会話の仕方を変えてから半年もすると、
Nさんの土日仕事がなくなる
と同時に
平日も18:30に帰宅できるように。

Nさんに仕事量がどうなったか伺うと
「以前に比べ半減した感じです」
とおっしゃっていました。

では、Nさんは部下との会話を
どのように変えたのでしょう?

部下に質問しよう!

それが質問の徹底活用。
部下自ら答えを考えざるを得ない、
そんな状況に陥らせる作戦です。

部 下:社長、○○が問題になっています。
Nさん:君はどうしたらいいと思う?
部 下:××というのはどうでしょう?
Nさん:じゃあ、それをやってみようか。

それまでは部下から問題が報告されると、
どう対処すべきかNさんが指示していました。

結果、部下は考えるという行為を
放棄するようになってしまったのです。

でも、社長に「どうしたらいい」と問われると
自ら打開策を考えざるを得なくなってしまう

Nさんが自身の成長を実感

Nさん、こんな風にも
おっしゃっていました。

 始めた頃は、もっと考えて発言してよ、
 と心の中で突っこみを入れていました。

 でも何度も繰り返すうちに、
 部下も慣れてきたのでしょう。

 徐々にですが、最初の報告段階から
 対策も伝えてくれるようになったんです。

 その頃からですね、
 私の仕事が減り始めたのは。

 以前に比べますと今は部下が
 活き活きしているように見えます。

 先日、社員にいわれたんですよ。
 「社長、最近怒りませんね」って。
 私も少し成長したかもしれません(笑)。

あなたの部下が皆さん、
自ら考え行動しているなら、
今のやり方がベストかもしれません。

でも、もっと部下に考えて欲しい、
そんな風に思っていらっしゃるなら、
この方法、お試しいただきたいです!

PS

関連する以下記事も併せご覧ください。
部下育成のためのコミュニケーション術

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