自分を知るとはどういうことか

From:伴走(Together Run)金子誠志

「自分のことは自分が
一番よくわかっている」

時にそういった類の言葉を
目や耳にすることがありますが、
それって、あなたはどう思われます?

半分正解、半分不正解、
私はそんな風に考えます。

今日はその理由を記しつつ、
自分の特徴を知り、仕事に活かそう、
そんな話をさせていただこうかと。

人は人格を使い分ける!

まずは
半分正解、半分不正解
と申し上げた理由から。

人(小さな子を除く)は
多面的な存在といえます。

お子さんを叱った直後のお母さんが
宅配便のチャイムに、明るい声で
「は~い」と答えることがある。

この場合、子供に接した顔つきと
宅配業者に接する表情は
大きく異なります。

それって、状況に応じ、
人格を使い分けているから。

で、そういった使い分けも加味すれば、
内面を知るのは自分だけでしょう。

ですから、
自分のことを一番わかっているのは
自分だけ、ということになります。

自分を客観視できない

一方、人は基本的に
比較することでしか
自己評価できません。

自分がどの程度のレベルか、
他人と比べることでしか、
位置付けを把握できない
わけです。

といっても、
自分のレベルを
冷静に評価するって
相当に難しい。

一般に自己評価は
高くなり過ぎたり、
低くなってしまったり・・・。

隣の芝は青い

さらにいえば、
人は自分を基準に
比較を行っている。

そういう意味では
自分自身は常に±0。

自分に優れた能力があったとしても
「自分にできることはみんなもできる」
くらいに捉える傾向が強い。

他方、
「隣の芝生は青く見える」
ではないですが、
人は自分にないものに
目が行きがちです。

そこから考えますと、
自分を知らない、
つまり客観視できない
存在といえます。

そういった2つの側面を持つことから
「自分のことは自分が一番よくわかっている」
というのは半分正解、半分不正解
と考えるしだいです。

“トリセツ”が有効

さて、そんな前提に立ち、
ではそれをどのように
実務に活かすか。

そこでお薦めしたいのが
“自分トリセツ”(取扱説明書)作成。

つまり、自分の強みとか弱み、
興味・関心などを
できるだけ客観的に把握し、
自分をうまく操縦しましょう
ということです。

生産性アップのために

強みを発揮できることとか、
興味のある分野って、
集中力を保ちやすいでしょう。

成果にだって
繋がりやすいですよね?

一方、弱みとか
関心の乏しいことには
持続力を発揮できません。

良い結果だって
期待薄かと。

だからこそ、
自分トリセツの作成が
仕事の生産性を上げてくれることに
なるわけです

自分の特徴を活かし、
気持ちよく仕事ができる
環境を作れる、ということ。

自分トリセツ作成法

では、トリセツは
どうやって作ればいいか。

お薦めが、まずは
過去を振り返ること。

これまでの仕事を
思い返してみてください。

■楽しくできたのはどんな仕事か
■疲れを感じなかったのはどんな仕事か
■時間が経つのを忘れたのはどんな仕事か
■すぐに眠くなったのはどんな仕事か
■ストレスが多かったのはどんな仕事か
■他の人より早く正確だったのはどんな仕事か
■逆に間違いが多かったのはどんな仕事か

そういった質問を自分に繰り返し、
強みや弱み、興味・関心を
文字にしていきます。

この作業を通じ、
あなたがどんな特徴を持つか
客観的になるでしょう。

“自分を知る”
ということに
なるわけです。

弱みは克服しなくていい

それが明らかになれば、
強みとか関心のあることに
意識的に時間を割いていく。

それって、
あなたにとって
有意義ですよね?

考えるべきは
“弱み”をどうするか。

この場合、
“克服”という選択肢は
お薦めできません。

なぜか。

何十年も生きて来て
弱みのままなわけです。

それをクリアするのって
相当にしんどいと思いませんか?

他人の力を借りよう!

そうだとすると、
弱みをどうカバーするか。

残る選択肢は
他人の力を借りること。

社内でも良いですし、
外注を使うのもありでしょう。

コスト面ですぐの対応が難しいなら、
それをあなたの優先課題に据え、
解決を目指すという手だって
考えられます。

そういった対策を繰り返すことで
自分の特徴を活かしつつ、
成果も得られるという善循環が
回り出す
ように思うのですが
いかがでしょう。

ということで
自分トリセツ作り、
チャレンジしてみませんか?

PS

トリセツ作りの際は、
邪魔が入らないような場所で
半日~一日程の時間を確保し、
じっくり自分と向き合うことを
お薦めしています。

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