売上貢献1500倍以上の接客術

From:伴走(Together Run)金子誠志

売上への貢献という点では、
投資の1500倍以上のリターン。

今日はそんな
スーパー接客術の話を
させてください。

ふと思い立った温泉行

コロナ禍となって以降、ご無沙汰ですが、
私には、何度となく利用させてもらっている
とある地方の温泉宿があります。

そこを初めて訪れたのは
私がまだ30代半ばの頃。
ずいぶん昔ですね(笑)。

会社勤めをしていた当時の私は
連日の早朝出勤深夜帰宅に加え、
土日出社も常態化していました。

そんな時にふと思ったのが
「全く親孝行していないな」
ということだったのです。

そこで無理やり3連休を取得し、
母が以前から行きたいといっていた
その温泉に行くことにしました。

旅行会社も推した宿

その温泉には宿がいくつかありますが、
母に聞くと、朝晩は部屋食がいい
とのリクエストが挙がりました。

当時は、ネット社会にほど遠く
ホームページを持つ宿など
ごくわずかな時代です。

本を調べ、旅行会社にも問い合わせ、
白羽の矢が立ったのが、その宿でした。

旅行会社の人いわく
「サービスが評判ですよ」
といっていたのを覚えています。

当日、宿に到着すると
フロントのスタッフが
「そちらにおかけください」
と案内してくれました。

座ったまま宿帳に記載し、
すぐに部屋に通されます。

お客さんが立ったまま宿帳に書く
というスタイルが普通の時代でしたから、
その時点でちょっとしたサプライズでした。

冷えていなかったビール

温泉に浸かり、さて夕食。
母もアルコールを若干は嗜みまして、
私同様にキンキンに冷えたビールが好み。

そこで、食事を運んでくれた仲居さんに
「ビールをお願いします」と伝えますと、
「部屋の冷蔵庫からどうぞ」といわれました。

ところが、このビールが
あまり冷えていなかったのです。

そこで再び訪れた仲居さんに
その旨をお伝えしますと
すぐによく冷えたビールを
運んできてくれました。

食事はどれも美味しく、
温泉も満足のいくもの。

そして3日目の朝。
チェックアウトすべく、
フロントに向かいました。

スタッフのセリフにびっくり!

するとその宿の責任者と思われる
スタッフがこんな風にいいます。

 金子様、
 この度はご利用いただき、
 ありがとうございます。

 一昨日はビールが冷えておらず、
 大変申し訳ございませんでした。

 次回は冷蔵庫のビールも
 しっかり冷やしておきますので
 よろしければまたご利用くださいませ。

 そうそう、一昨日のビール代は
 ご請求から外してあります

 この先もお気をつけて。

冷蔵庫のビールが冷えていなかったことは、
仲居さんにしか伝えていません。

もちろん、その件について、
事を荒立てたわけでもありません。

ですが、その内容は宿内で共有され、
この日の対応になったのでしょう。

そして1500倍のリターンに

この対応に
痛く感激したのが、
私の母
でした。

それ以来、何度その宿を
利用させていただいたことか。

引いていただいたビール代は
確か700円くらいだったと思います。

そしてその日以降、
私達親子が再訪したのは数十回

金額にして100万円以上。

700円の投資で100万超のリターン。
費用対効果でいえば1500倍ほどです。
すごい接客術だと思いませんか。

小さな問題にも目を向け、
それを社内で共有し、
きちんと対処する。

言葉にするのは簡単ですが、
それを愚直に実践するのは
決して楽ではありません。

だからこそそういった姿勢が
結局はロイヤルカスタマーを
生んでいくのでしょう。

PS

もう少しコロナが下火になったら、
久しぶりに母とあの宿を再訪しよう、
そんな風に思っている今日この頃です。

関連記事