From:伴走(Together Run)金子誠志
緊急事態宣言がいよいよ解除されるとのこと。
日常生活が戻るのは先になりそうですが、宣言
解除だけでもいくぶん気持ちが楽になりますね。
コロナ問題は、我々の行動を大きく制限し、
大小さまざまな影響を及ぼしました。
その中の一つに、モノの売れ行きと
それに伴う価格変動があります。
下がった?上がった?
総務省がまとめた家計調査(2020年3月分)に
よりますと、前年同月比、消費が大きく
減退したのが以下のような項目。
航空運賃 ▲84.7%
鉄道運賃 ▲65.2%
飲酒代 ▲53.5%
タクシー代 ▲44.7%
食事代 ▲30.3%
一方、当然のことながら
増えているものもあります。
例えば・・・。
ゲーム機 +165.8%
保健医療用品 +75.6%
パスタ +44.4%
トイレットペーパー +26.4%
インターネット接続料+12.4%
「そうだろうな!」と思われたかもしれません。
コロナで注目される“P”
ところで、『(マーケティング)4P』
という言葉をご存知でしょうか?
商品・サービス戦略を考える上で大切と
なる以下の4つ(のP)を指しています。
商 品:Product
価 格:Price
流 通:Place
販売促進:Promotion
どれもが大切ですが、中でも最近尋ねられる
ことが多いのが、コロナ後の価格戦略について。
特にコロナの影響をもろに受けた業界の
方からこの質問を頂戴することが増えました。
悩まれている詳細は少しずつ異なり
ますが、まとめますと「コロナ後の
価格をどうすればいいか?」というもの。
緊急事態宣言が終了したとしても、コロナ問題
が根本的に解決しているわけではありません
から、この先も三密回避は暫く続きます。
値下げもありか?
自粛要請が出ていたのは、三密
の可能性を否定できない業界。
となると、緊急事態宣言が解除されても、
お客さんがすぐに戻って来ないかもしれません。
そこで頭に浮かぶのが4Pの一つ、Price。
価格を下げ、集客に繋げようという発想です。
この問題にはどう対処すればいいのでしょう?
これ、結論からいってしまえば、
値下げも一つの戦法となり得ます。
ですが、その際に注意すべきが以下2点。
一時的&先に繋がる
1)一時的な値下げという点を明示
2)先に繋がる値下げだけに限定
先にお伝えしますが、上記2つを
同時に満たす時だけ、値下げもあり、
という点を押さえてください。
その前提で少し説明しましょう。
「一時的」というのは、恒久的な値下げ
をしてはダメです、ということです。
例えば、コロナ問題から営業を自粛
していた場合、再開記念として数量や
日程を限定し、実施する、ということ。
限定することでお客さんを
呼びこむ効果も期待できます。
人は「これだけ」「今だけ」という
限定にめっちゃ弱いですから(笑)。
こうしておけば、既定の数量なり、
日程を過ぎた瞬間に元に戻せますよね?
損して得とれ
もう一方の「先に繋がる」
とは、どういうことか?
これは、その値下げが次の売上に繋がる可能性
が高いものだけ、値下げもOKということ。
これ、2つのケースが考えられます。
一つは、その値下げによる購入をきっかけに、
次回も購入される可能性が高い商品の場合。
特にサービス系(施術など)は、値下げによる
購入をきっかけにその後、継続利用して
もらえることが少なくありません。
そうであれば、値下げ、つまり一時的に
利益を削ったとしても、その後の利用を通じ、
十分なリターンを期待できるでしょう。
そして、もう一つが値下げ品の
購入が他の商品の購入に繋がる場合。
これは、分かりやすい例がファースト
フードのサイドメニュー大幅値引きです。
なんでコーヒーが10円?
マクドナルドがコーヒーを10円で
販売したりすることがありますよね?
なんでそんなことをするかといえば、
コーヒーを頼んだお客さんが、ハンバーガーや
ポテトを一緒に注文する可能性があるから。
トータルで利益を確保するための
“撒き餌”ということでしょう(笑)。
もちろん、一度足を運んでもらうことで
次も来てくれるかもしれませんし・・・。
さて、冒頭に記しましたように(総務省調査)、
コロナをきっかけとしてお客さんの
購買行動が大きく変化しました。
客数ダウンから、従来の価格を
見直す動きも散見されます。
かといって、安易に価格を下げてしまえば、
それがスタンダードとなり、利益を
圧迫するだけに終わりかねません。
ですから、価格(ここでは“値下げ”)に
ついては、その後の影響を十分に練った上、
対策されるのがよろしいかと。
PS
売れ行きが悪くなると、ついついその
原因を価格に求めてしまいがちです。
でも、多くの場合、あなたが提供する
商品・サービスの素晴らしさがお客さん
に伝わっていないことがほとんど。
価格に手を付ける前に、まずは見せ方を
工夫されることをおススメいたします。
PS2
関連する以下記事も併せご覧ください。
原価と売価の関係、販売価格の決め方