原価と売価の関係、販売価格の決め方

From:伴走(Together Run)金子誠志

以前、足元の売上が厳しいからといって、
中小の企業や店舗は安易に値下げに走っては
いけない、という点をお伝えしました。

一度値下げしてしまうと、それが基準と
なり、元の価格に戻すことが、難しくなる。

結果、利益が減り、経営を圧迫する
だけ、という事態になりかねないから。

販売価格の設定法

それでは、そもそも最初の値段は
どのように設定すればいいか
、今回は
そんなお話をしたく思います。

ご存知と思いますが、値付けの
方法は、大きく2つに分かれます。

一つが原価(コスト)をベースに考える方法
そしてもう一つが需要(ニーズ)を踏まえ、
決定
する、というものです。

原価をベースに考えるとは、例えば、
原価70円のものに対し、30円の利益を
上乗せし、100円で販売する、ということ。

これは、ある意味とてもシンプルな
計算法ですから、分かりやすいでしょう。

わずかの期間で数百円が数万円

一方の需要から考えるとは、その商品や
サービスにいくら払ってもらえるか、その
ニーズを価格に置き換える方法といえます。

コロナ前は、時に50枚入りのマスクが
数百円で売られていましたが、緊急事態宣言下
には数万円の値がつくこともありました。

高値でも欲しい(購入する)人がいる
からこそ、値段が急上昇したわけです。

では、中小の企業や店舗が値付けする場合、
どちらの方法を採用すべきでしょう?

ところで、“バーキン”ってご存知ですか?
有名ブランドエルメスのバッグブランドの一つ、
“ケリーバッグ”と並び、超人気の品だそうです。

ちなみに、正直なところ、私はブランドには
本当に弱くてですね、詳しくは知りません。
興味のある方はググってみてください。

バーキンvs.国産ブランド

話を戻します。
そのバーキンっていくらくらいすると思います?
バッグなのに7桁(百万円台)、驚きませんか?

それはさておき、日本にも素材に
こだわり、縫製のしっかりしたバッグを
作るメーカーは何社も存在します。

でもその価格は数万円、中には6桁(10万円
超)もありますが、そういった価格で提供
するメーカーは、決して多くありません。

さて、ではバーキンと国産こだわりバッグ、
その原価の差はどれほど
だと思います?

差はあるかもしれませんが、そうは
いってもその開きは10倍もないでしょう。

原価なんて関係なし!

なにをいいたいか。
販売価格と原価は関係ない、ということ。

価格を決める唯一の要素、それは
『お客さんが感じる価値』
、それだけです。

仮に原価が1万円だとしても、
お客さんが千円の価値しか認め
なければ、千円以上では売れません。

一方、原価が千円でもお客さんが1万円の
価値を感じれば、その額を投じてくれます。

ですから、価格を決める際は、
なによりお客さんの感じる価値が
どれほどかを考える必要がある。

販売価格を考える際、時に原価から発想して
しまいがちになるかもしれませんが、お客さん
が感じる価値だけに焦点を当てて欲しいです。

PS

多くの中小企業が、提供する商品や
サービスの価値を十分に伝え切れていません。

結果、本来持っている価値より安く
なってしまっていることがほとんど。

ですから、価格設定の前に考える
べきは、その見せ方といえましょう。

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