ノウハウの使い方、そのポイント

From:伴走(Together Run)金子誠志

先日、ある地方に出向いた際、
現地の方にお声がけいただき、
とある交流会に参加しました。

集まっていたのは
地元の中小企業経営者。
その数、30人ほど。

20分ほどの挨拶などの後、
懇親タイムとなったのですが
そこで一人がチラシを配布。

私にも「良かったらどうぞ」と
その経営者が手渡してくれました。

セミナー紹介のA4チラシ

それはA4サイズの用紙。
中身をさっと見ますと
セミナーを紹介する内容。

コミュニケーション力をアップするもので
半日研修の参加費は5万円とそれなりの額。

その金額が妥当といえるかどうかは、
参加していない私には皆目わかりません。

ただ、気になった点があったのです。
それが印刷されていた用紙そのもの。

使われていたのは黄色の普通紙
そこに黒の文字一色の説明です。

一般的に見れば5万円の研修は
お安い額とはいえないでしょう。

商品・サービスを訴求する場合、
レベルに見合ったツールが必要。

例えば、高級車のパンフレットって、
それなりにお金がかけられています。

パンフレット自体もステイタスを示す
重要なツールになっているわけです。

黄色に隠された秘密

そこで、私はその方に
そのチラシの背景を
聞いてみました。

すると、その経営者は
こう話してくれたのです。

 黄色を使っている理由ですか。
 以前に集客セミナーに出まして
 そこで黄色が良いと教わりました

 集客のプロがいうんだからと、
 それ以来、黄色を使っています。

その反応を聞きますと、
こういった答えでした。

 黄色に変える前は
 白い紙を使っていました。

 黄色に変えた後は
 セミナーへの申し込みが
 幾分ですけど増えましたよ。

 黄色効果ですね。
 それ以来、この色を
 使い続けています。

その後も若干のやり取りをしましたが、
最近は黄色効果がすっかり失せたそう。

状況に応じ使い分けるべき手段

さて、この黄色いチラシ、
あなたはどう思われます。

マーケティングにおいては、
こういった手段の一人歩きが
少なくない
のが実態です。

あくまで想像ですが、この方が
黄色いチラシを使い始めた頃は
それだけで目立ったのでしょう。

目立つ、つまり人の目に触れれば、
通常は反応もアップするようになる。

この方が参加したセミナー講師を
フォローするわけではありませんが、
黄色にしましょうといった背景は
目立たせてということではないかと。

つまり、他が白一色だから
黄色は目立って効果を発揮する
ということだったように思います。

ということは、周りの多くが
カラー用紙を使い始めれば
必然的に黄色は埋もれ始める。

ですが、この方はそこを聞き逃したか、
あるいは講師がその説明を省いたか。

手段の罠にはまらないために

いずれにしましても、
ポイントが抜け落ちてしまい
“黄色の紙”という手段のみが
その方の記憶に定着したのでしょう。

この経営者と同じ過ちをしないためには
いったいどうすればいいのでしょうか。

はい、その通りです。
手段だけにフォーカスせず、
その手段の意図・背景まで
しっかりつかむ
こと。

さて、あなたが使う方法・ノウハウは
あなたのビジネスに合致していますか。

成果が乏しいとしたら、
手段がビジネスに合っているか
そんな視点から検証されても
良いかもしれません。

PS

SNSに投稿し続けているのに
結果に繋がらないとすれば、
同じ罠にはまっています。

関連記事