改善と改革の使い分け、そのポイント

From:伴走(Together Run)金子誠志

改善とか改革とか、
さらに革新などの言葉、
あなたも使っていませんか。

それぞれが持つイメージって
けっこう違いますよね。

では、実ビジネスにおいても
それら言葉を使いわけ、
行動されていますか?

コロナに直撃されたYさん

今日は、Yさんの例を参考にしつつ
その使い分け・実践法を
記したく思います。

Yさん、コロナ禍以降、
急速に売上が悪化、ということで
ご相談にお見えになりました。

Yさんはダンス教室を
運営される経営者。

ダンスという特性上、
コロナ禍に休業せざるを得ず、
各種支援金などで凌ぐ日々、
とおっしゃっていました。

一方、教室賃料や機材リース代など、
一定の固定費が生じていたことから
今の状態が続けば「持って半年」
とも発言されていたのです。

26年の足跡が明らかに

そこでいろいろ伺っていくと、
さまざまな事実が明らかに。

◆教室を運営し、既に26年
◆最初の10年は売上が堅調に推移
◆一方、ここ15年くらいは逓減傾向に
◆客(特に固定客)の高齢化が著しい
◆年齢を理由に去っていく人も少なくない
◆新規入会は固定客からの紹介がほとんど
◆時に業界誌に広告を出しているが反応なし

Yさんが教室を始めた頃は、
ダンスに一定の人気があり、
立地さえ間違えなければ
お客さんが集まったそう。

Yさん自身、当時は若く、
さまざまな大会に参加し、
上位入賞を果たすことで
それが集客に繋がっていた
ともおっしゃっていました。

抗えない環境の変化

ですが、ブームが去り、
一方、入賞も徐々に難しくなり、
比例するように売上がダウン。

それでも、
コストを削るなどし、
遣り繰りしてきたそう。

そんな苦境を
コロナが直撃した
とおっしゃっていました。

「このままではまずい」と感じ、
相談に訪れた、とのこと。

Yさんには、
コストがあまりかからず
直近に可能な策をいくつかお伝えし、
面談を終えることになりました。

改善vs.改革

さて、本日のテーマは
「改善と改革の使い分け、
そのポイント」。

ビジネスにおいては、通常は
改善の繰り返しでしょう。

改善とは、問題点を見つけ
対処していくこと。

改善を繰り返すことで
中身に磨きがかかります。

改善とは部分的見直しですから、
変更を加えることで大失敗に陥る、
というリスクを抑えることもできる。

ですが、時には
根本から見直す『改革』に
挑まなければならない時だって
あるでしょう。

改革に挑むべきタイミング

Yさんの例でいえば、
売上に影響が生じ始めてから
15年が経過しています。

もちろん、その間、
Yさんもさまざまな努力を
重ねられたようでした。

◆コースの内容を見直す
◆チラシの内容を変える
◆お試し参加を受け付ける

いわゆる“改善”に
取り組まれたわけです。

でも、そもそも
時代のトレンドが変わったとか、
大会での入賞が難しくなったとか、
ビジネスのベースが変化していた。

そうであれば、
どのように売上に繋げるか、
その流れを根本から見直す
“改革”に踏みこまねばなりません。

それは“生みの苦しみ”

『たられば』ですが、
もし15年前からネット集客に
力を注いでいたら、
どうなっていたでしょう?

試行錯誤はあったと思いますが、
結果は大きく変わっていたかと。

改革は生みの苦しみを伴います。
失敗することだってあるでしょう。

だからこそ、
日々改善を繰り返しつつ、
大きな環境の変化を感じたら、
改革に踏み出す勇気
も必要かと。

改善と改革のバランス、
あなたはどう実践されていますか。

PS

Yさんがその後、どうなったか。
3ヶ月後に連絡がありました。

奥さんとも相談した結果、
年齢(体力)なども考慮し、
完全に追いこまれる前に
廃業することに決めたそう。

人生、決断の連続ですね!

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