『お客様は神様ではない』という発想を持とう!

From:伴走(Together Run)金子誠志

「お客様は神様です!」
今は亡き三波春夫さんが
使っていた言葉。

3度の倒産から復活した経営者

実は先日、複数の経営者の
話を聞く機会がありました。

コロナ禍に苦戦しつつも
試行錯誤を重ね続けている。

そんな方が数名集まり
現状などをお話いただく
トークセッションだったのです。

そんな中のお一人が、
発言されていたのが
「お客様は神様です!」
という言葉。

40代と思われるその方、
今は飲食中心にビジネスを展開中、
とおっしゃっていました。

既に3度、倒産を経験し、
本人曰く、「その都度、
地獄から生還しました」と。

そのご苦労は、
話を聞くだけでも
相当インパクトあるもの。

その渦中、
ご本人が経験された労苦たるや
私達の想像を超えるものでしょう。

そんな過去を踏まえ、その方は
こんな風におっしゃっていました。

理不尽を繰り返す神様?

 今の私があるのは
 お客さんのお陰です。

 若い頃は自分のことしか
 考えていませんでした。

 でもいろいろと学ぶ中、
 気づかされたんです。

 どんな時も、
 支えはお客さんだったと。

 私にとっては、
 お客様は神様です。

 もちろん、
 中には変わった人もいますよ。

 お金を払ってくれなかったり、
 理不尽な要求をされたり・・・

 でも、そういった人も含め
 お客様は神様だと思っています。

 そういった人達が
 今の自分を育ててくれた
 わけですから。

さて、あなたはこの方のご意見、
どのように思われますか?

今すぐ新品に交換しろ

ところで、私はかつて
電機メーカーに勤めていました。

そんな中、お客様相談室とか、
コールセンター業務にも
関わっていた時期があります。

コールセンターでいえば
当時の規模は400名体制。
かなりのボリュームでした。

中には、言いがかりとしか思えない
理不尽な要求を突き付けてくる人が
いたことを思い出します。

10年前に購入した商品が壊れ、
今すぐ新品に交換しろ、とか。

メーカーですから、
お客さんは全国に散在。

したがい、実質的には
どんなお客さんに対しても
丁寧な対応が欠かせません
でした。

例えば上述の
商品交換を要求するような
お客さんといえども、
ということです。

では、やはりお客様は神様か。
お客さんは絶対的な存在か。

中小の企業・店舗の特権

ところで、
中小企業の特権、
その一つがお客さんを
選別できることだと思っています。

一般に中小企業の場合、
お客さんが限定される。

エリアという縛りのこともあれば、
特定の層、ということもあるでしょう。

いずれにしましても、
大企業と違い、
全方位外交は
不要
なわけです。

そもそも
そんなにたくさんの
お客さんに来られても
対処できないでしょうし・・・。

だからこそ、お客さんに
選ばれる存在になると同時に
選ぶ立場も放棄してはいけない
と考えているわけです。

付き合うお客さんの見極め方

私が経営者さんに
よくお薦めする選別基準は
以下2点の同時クリア。

◆不当に理不尽な要求をしてこない
◆適切な対価を払ってくれる

そんなお客さんに囲まれていると、
幸せな時間を過ごせるはずですし、
「もっと頑張ろう」と思えることでしょう。

ということで、
中小の企業・店舗の場合、
お客さんの言いなりになる必要はない
という点は押さえていただきたいです。

PS

「お客さんを選ぼう」というと、
「偉そうに」という反論もあります。

でも、売買って、
単なる取引のこと。

どっちが偉いとか、偉くないとか、
そういう問題ではないように思いますが、
いかがでしょう?

関連記事