From:伴走(Together Run)金子誠志
先日、素材系の企業を営む
50代と思しき経営者さんから
こんな相談を受けました。
費用圧縮のため・・・
金子さん、
うちは技術力を売りしていまして、
取引先は大手が中心です。
一方、そのせいか、
昔から営業力は強くありません。
そんな中、取引先からは
毎年のようにコスト削減を
求められています。
そこで、費用圧縮のため
営業を外注してはどうかと
考え始めているのですが、
どう思われます?
さて、あなただったら、
この経営者さんに
なんとアドバイスされますか。
私の答えにいく前に、
少し自動車業界の話を
させてください。
日産vs.トヨタ
今を遡ること、半世紀近く。
世間でよくこんな言葉が
飛び交っていました。
「技術の日産 販売のトヨタ」
当時、日本の2大自動車メーカーといえば
誰もがトヨタと日産を挙げていました。
一方、両社の特徴としましては
トヨタは営業力、日産は技術力、
そんなイメージが根づいていたのです。
※「技術の日産」はCM効果もあったでしょう。
確かに例えば、
日産スカイラインが
1972年にレースで築いた
50連勝という金字塔は
未だ破られていません。
日本初のターボエンジン量産化は
日産(1979年)が果たしたものでした。
その技術力の高さは
まさに“技術”の日産。
トヨタは技術力が不足!?
では、当時のトヨタに
技術力はなかったのでしょうか?
そんなことはありません。
例えば日産がターボを前面にしていた頃、
トヨタはDOHCという技術で戦っています。
※本筋の話ではないため、詳細カット。
さらにいえば、
例えば世界初の量産ハイブリット車といえば、
そうです、「トヨタ・プリウス」。
技術力がなければ、
そんなこと、不可能ですよね?
では、なぜ、トヨタは
「技術のトヨタ」を謳わなかったか。
それは、トヨタ自動車が
技術以上に販売が大切であることを
知っていたからでしょう。
言い方を変えれば、
技術だけでは立ち行かなくなることを
経営陣が分かっていたのだと思われます。
技術と売上の関係
優れた技術、高い品質があれば、
勝手に売れていくのでしょうか。
悲しいかな、
答えは「No」。
一時は
世界トップシェアを誇った
日本の半導体産業。
でも、今は
見る影もありません。
もちろん、技術が高いに
越したことはないですが、
それだけではダメ
ということです。
こんな風にいった方が
伝わるかもしれません。
仮に技術・品質が
2番手・3番手だとしても
販売力があれば、そのハンデを
乗り越えられる、と。
売上を左右する一番の要素
さて、冒頭の
経営者さんの話に
戻りましょう。
私がお伝えしたのは、
営業の完全外注はお勧めしない、
ということ。
営業を完全に外注化してしまう
ということは、その取引先に
首根っこをつかまれる
ということを意味します。
それは危険ですよね?
商品・サービスの売上を
左右する一番の要素、
それはマーケティングであり、
販売なわけですから。
PS
良いものが売れるのではありません。
売れているから「良いものだ(ろう)」
という評価が後からついてくるのです。
あなたも、買い物で迷った際など、
売れているかどうかを判断基準に
しているのではありませんか?
人の評価なんて実際、
そんなものです(笑)。