医者だってマーケティング・スキルが必要

From:伴走(Together Run)金子誠志

“医術”っていう言葉がありますよね?
ですから、医者って、医療という技術を武器に
仕事を請け負っているイメージがありませんか?

医術を磨き続けることこそ、医者としての魅力を
高めることであり、結果、それが彼等の業績にも
寄与する、そう思っていないでしょうか?

少なくとも私は、集客とかマーケティングという
仕事を本格化させるまではそう思っていました。

でも、「そうでもないんです」という
実態を今日はお伝えしたく思います。

技術力さえあれば患者は集まる!?

先日、ある開業医から相談を受けました
その方を仮にSさんといたしましょう。
簡単にご紹介すると、こんな感じの方です。

Sさんの営む病院は都心に隣接する駅に立地。
近隣住民だけでなく、中には電車を乗り継ぎ
1時間以上かけ、来院する方もいたとか。

ところが、3年半ほど前、体調を悪化させ、
暫く休診せざるを得なかったそうなんです。
そしてその期間は2年にも及んだそう。

昨年中ごろ、ようやく普通に動けるようになり、
昨秋に病院を再開したとおっしゃっていました。

それまで通ってくれていた方々には、ハガキ
で再開を知らせ、来院を待ったそうです。

が、しかし、3ヶ月経っても患者さんは
ほとんど、戻ってこなかった
とのこと。

それでも、Sさんはこう思っていたようです。
「半年もすれば患者さんは戻ってくるだろう」

ところが、そんな期待はもろくも崩れ去ります。
半年が過ぎても患者さんは増えなかっとそう。

収入が1/10に激減

そうこうしている内に再開から1年が経過。
でも、患者さんの数は増えず、休診前の1/10。
結果、診療報酬が激減してしまったようです。

Sさん、休診前は自由診療(保険に縛られない
全額患者負担の治療)にも力を入れていたため、
それなりに潤っていたとおっしゃっていました。

そんな状況が暗転し、どうすべきかわからず、
私のところへお見えになったようなんです。

さて、Sさんのところには、なぜ
患者さんが戻ってこなかったのでしょう?
少し考えてみていただけませんか?

  ↓
  ↓
  ↓
  ↓
  ↓
  ↓
  ↓
  ↓
  ↓
  ↓
  ↓
  ↓

Sさんの運命を決めた行為って?

では、答えに行きます。
いろいろと話を聞かせていただき、分かった
こと、それが患者さんのフォロー不足でした。

Sさん、治療を終えた患者さんに対し、それ
以降一切フォローしていなかったそうなんです。

医療の世界では、さまざまな法律などの
制約があり、フォローといってもできる
ことが限定されてしまいます。

そうはいっても、お礼状を出したり、
その後の経過を気遣うハガキなど

あれば、問題になることはありません。

ところがSさん、高額の自由診療を受けられた
患者さんに対しても、そういったことは全く
していなかった、とおっしゃっていました。

そこに来て突然の2年間の休診。
患者さんがその間に受診したいと思った場合、
自力で他院を探し、診察を受けちゃいますよね?

で、新たな医者が十分な対応をし、関係性が
できあがってしまえば、敢えて前の病院、つまり
Sさんのところに戻る必要はなくなります。

業種に関わらずマーケティングが不可欠

要は、結果的にであったとしても、
患者さんを放置したことが、彼等彼女等が
戻らなかった最大の原因と考えられるんです。

医者になるのは、並大抵の
努力でないとは十分に想像できます。
技術を磨き続けることも大切でしょう。

ですが、病院のようなマーケティングとは縁遠い
ように見える業種であっても、リピート対策等、
マーケティングを活かす方がビジネスはラク!

さて、あなたは目の前のビジネスに
マーケティングを十分に活かしていますか?

特にリピート対策は、ビジネスを
安定させる上で欠かせない
取り組み。

医者だけでなく、士業などの先生業の場合も
その巧拙が業績を大きく左右する可能性大。

ということで、お客さんがあなたを
決して忘れることのないよう、しっかり
サポートしていただきたいです!

PS

ちなみにSさんのその後はどうなったか?
いろいろと患者さんを集める手立てを紹介
しましたが、既に心が折れていた様子。

その数日後に連絡があり、
そこにはこう書かれていました。
「閉院することを決めました」

関連記事