その会社が信頼を失った“たった一つの理由”

From:伴走(Together Run)金子誠志

私がその会社を利用することは、
おそらく2度とないでしょう。

今日は、信頼が一転、大きな不信に変わった、
そんな体験に絡め、お伝えしたく思います

その事件は、急遽とある地方に行くことに
なり、その手配過程で起こりました。

そこは、新幹線を使えば十分に日帰り可能。
しかしながら、2日にわたり予定が入って
しまったため、泊まらざるを得なくなりました。

そこで、宿泊先をネットで検索したところ、
それなりにリーズナブル、かつ満足できる
内容のホテルを発見
したんです。

取り扱う旅行会社も、そこそこ名の知れたところ
私は安心し、深夜であったため、ネットで
その申し込みを済ませました。

知らない番号から突然の着信が・・・

すると、翌日午前中に電話がかかってきたんです。
携帯電話に表示されたのは、全く知らない番号。

「はい、金子です」と応じると、「○○旅行社
の××と申します。昨日は、お申込みいただき
ありがとうございます」と若い男性が告げます。

そしてその後、そのホテルが実は既に満室で
部屋を確保できない旨を伝えられたんです。

彼いわく、その日は、その都市で大きなイベント
があり、市内のホテルは既にほぼ満室とのこと。

そんな説明をしてくれた後、
続けて私にこういいました。

「ただ、こちらでいろいろ調べまして、
1室だけ、空きを確保しました

そんなイベントがあるとはつゆ知らず、
彼が部屋を探してくれたことに、心から
感謝している自分がそこにいました。

とはいえ、彼が告げた価格は、私が前日に
決めたプランに比べ、2倍近い
もの。

売り手優位の状況下では・・・

そして彼はこう私に迫ります。
「いかがいたしますか?」

ここで登場するのが、いわゆる希少性の法則
そうです、需要に対し、供給が少ない場合、
売り手が圧倒的に有利な状態になること。

今回でいえば、売り手の彼は手を差しのべる立場、
そして買い手の私は、宿泊が不可欠なため
実質的にNoという選択肢を持ちません

やむなく、「では、お願いします」と、部屋を確保
してくれたことに感謝しつつ、示された2倍近い
価格を受け入れざるを得ませんでした。

そして、さらに翌日。
偶然に仕事で一緒になった知人にその話をすると。

「金子さん、ちょっと調べていいですか?」
とスマホをいじり出しました。

彼の説明は事実ではなかった・・・

そして、待つこと2~3分。
「金子さん、宿、ありますよ」と。
見せてくれたサイトは、超大手のもの。

「金子さん、ここに番号が載っていますから、
 今、電話してみたらいかがですか?」

早速、その超大手旅行会社のコールセンター
に電話を入れると、こちらの希望する
部屋をいくつか紹介してくれました。

ホテルの立地や設備を考慮し、決定した宿は、
最初に決めた宿に比べ、若干お値段がプラス。

といっても、それはわずか10%ほど。
2倍といわれた額に比べれば、微々たるものです。

しかも、今度の旅行会社は超大手ですから、
その分の安心料と思えば安いくらい。

私はその場で手配をお願いし、
無事、宿を確保したのでした。

上述の通り、最初にネット予約した
旅行会社の彼は私にこう告げました。

「その日は、大きなイベントがあり、
 市内のホテルは既にほぼ満室です」
 でも、1室だけなんとか確保できました」

しかし事実は、そうではありませんでした。
実際に、別の旅行会社から複数の選択肢
を提示されたわけですから。

真実はやぶの中だが・・・

なぜ、彼はそんなことをいったのでしょう?
理由(真実)はわかりません。

彼の旅行会社が扱う物件に空きがなかった
のかもしれませんし、目の前の数字が
欲しかっただけかもしれない。

ただ、彼は「市内のホテルは既にほぼ満室」と私
に、他の選択肢が全くないかのように伝えました
そして、それは実態と異なっていた。

私は、2度とこの会社を使うことは
ないでしょうし、もちろん人にも勧めません。

というより、「○○(その旅行会社)はやめた方が
いいかもしれません」と話す可能性すらあります。

悪評は1.4倍も広がるという現実

ちなみに、カード会社アメックスの調査に
よりますと、以下のような結果が出ているんです。

良いサービスを受けた日本人は、
平均でそれを8人に話す

一方、悪いサービスを受けた
日本人はそれを平均11人に話す
つまり、悪評は1.4倍広まる、ということ。

あなたは、もちろんお客さんに常に最高の
サービスを、真心こめ提供していると思います。

では、従業員の方々はいかがでしょ?
例えば、目先の利益に追われ、ついつい、
なんていうことはないでしょうか?

最近、頻発する大手の偽装問題も、
「最初はこれくらいならいいだろう!
という従業員の軽い気持ちからだったはず。

でも、それが世間にばれ、会社の屋台骨が
揺らいだ例は枚挙にいとまがありません。

人は弱い存在、ついつい流されてしまう
ということだって起こり得ます。

でも、そういった一人一人のなにげない判断
が時に会社の命運さえ左右する可能性が
あるわけですから、要注意ですね。

PS

こういった問題には特効薬がないのが現実。
唯一の答えは社内の風通しを良くする
ことでしょうか。

それは、立場の違いを超え、誰もが問題を
指摘できる風土を維持できるかどうか
にかかっていますよね?

もちろん、口でいうほど楽ではない
ことは重々承知していますが・・・。

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