セールストークが成功する伝え方の極意

From:伴走(Together Run)金子誠志

商品・サービス販売に不可欠なこと、
それがお客さんへの説明でしょう。

あなたの扱う商品・サービスが
どういった価値を提供するか、
知ってもらわなければなりません。

そこで必要になってくるのが
“セールストーク”でしょう。

ということで本日は、
成約率を高めるトーク術を
取りあげたく思います。

A薬局vs.B薬局

本題に行く前に、
想像していただけますか。

あなたのお子さんが発熱し、
薬を買いに行ったとします。

最初に訪れたA薬局では・・・。

あなた:子供が発熱しまして。
薬剤師:では、この薬が良いでしょう。

その対応に若干の不信感を抱いたあなたは、
A薬局からほど近いB薬局に向かいます。

遣り手薬剤師のテクニック

あなた:子供が発熱しまして。

薬剤師:それはご心配ですね。
    熱はいつからですか?
    今は何度くらいあります?

あなた:昨夜、ぐったりしていたので
    熱を測ったところ37.5度でした。
    今朝は38.2度に上がっていまして。

薬剤師:なるほど。
    その他の症状はありますか?
    お腹を壊しているとか、
    吐き気があるとか。

あなた:熱のせいかぐったりしていますが、
    それ以外は特にないと思います。

薬剤師:食欲はどうでしょう?

あなた:水分だけは摂らせていますが、
    あまり食べたがりません。

薬剤師:なにか薬は飲ませましたか。
    それとお子さん、苦手な薬とか、
    アレルギーが出たことはありますか?

あなた:飲ませていません。
    粒の大きい薬は飲みづらそうです。
    アレルギーは特にありません。

薬剤師:この先、熱がどうなるかによりますが、
    それでしたらまずはこちらの薬を
    飲ませて、様子を見てください。
    明後日になっても熱が下がらなかったり
    他の症状も出てきた場合などは、
    医師に相談される方がいいでしょう。
    当店は朝〇時から夜〇時まで
    電話でも対応しています。
    なにかあれば遠慮なくどうぞ。

あなた:ありがとうございます。
    では、その薬をお願いします。

セールストークの極意

極端な例を挙げましたが、
両店の対応、いかがです?

もしあなたが具合が悪くなったら、
どちらの薬局に行きたいですか?

「俺(私)は絶対にA店に行く」
という方は少数派でしょう(笑)。

実はこの話の中にこそ、
セールストークを成功させる
最大の“極意”が隠されています。

はい、もうお気づきですね。
それは相手の話を聞くこと。

説明の前段階が一番のポイント

セールストークという言葉のイメージからか、
“トーク”の流れ・質などが成約率を左右する、
そんな風に考える方が少なくありません。

もちろん、それもある程度
結果を左右するでしょう。

ですが、一番のポイントは
トーク術ではありません。

トークが響くかどうか、それは、その前段階、
いかに相手の情報を収集するか
で決まります。

つまり、相手の状況を踏まえ
それに即した提案ができるか。

優秀なセールスvs.伸び悩むセールス

優秀なセールスほど、
話す以上に聞く時間が長い、
といわれるのはご存じでしょう。

実際にセールスのトーク量(割合)と
成果の関係を調べた実験があります。

それによりますと、
成績の悪いセールスは
平均7割しゃべっていた
そうです。

一方、良い成績を残すメンバーは
トークの量が5割
前後だったそう。

凄腕セールスほど、相手の話を
しっかり聞いているわけです。

ということで、セールストークを
成功に導く極意、それが“傾聴力”。

相手の状況・課題を引き出し、
それを踏まえた説明に徹する。

そういった伝え方にしてこそ、
最強のセールストークといえます。

PS

上述のセールス向け実験では、
営業の行動全般を分析しました。

そこで分かったのが、
優秀なセールスほど、
リサーチに時間を割く、
という事実だったそうです。

お客さんに出向く前に
ネットなどを総動員し、
情報を拾っていました。

一方、成績が振るわないセールスほど、
説明の仕方を改善する傾向にあったそう。

結果、成績が悪い人ほど、
さらに一所懸命説明し、
トークが長引いていく。

でも、お客さんの事情を踏まえないため、
売上に繋がらないという悪循環に
陥ってしまうという流れに。

そういった点から考えましても
トーク(商品説明)に入る前の
準備(傾聴など)が重要ですね。

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