
From:伴走(Together Run)金子誠志
「うちはお客さんの声は聞きません」
そう豪語するYさんは2代目社長。
異なる食材を扱う4タイプの
飲食店を営まれる経営者です。
今日はYさんの経営哲学に絡め、
マーケティングのあり方に
触れさせてください。
売上3倍、利益5倍
Yさんが経営を引き継いだのは、
今から10年ほど前だったそう。
この間、売上ベースで3倍、
利益は5倍になったとのこと。
Yさんいわく「大胆な改革を
断行した結果ですかね」と。
Yさん、お父様である
先代から社長職を打診された際、
一つだけ条件をつけさせてもらった
とおっしゃっていました。
それが「先代は今後一切口を出さないこと」。
先代、最初は渋っていたそうですが、
最終的には同意されたとのこと。
Yさんが先代の下、経営を学んでいた頃、
店の業績は、常に不安定だったそう。
周囲の声に耳を傾けすぎる!?
Yさん分析によりますと・・・。
◆客の声に耳を傾けすぎる
◆職人に配慮しすぎる
◆人件費が高すぎる などなど
お客さんや従業員など、
『周囲の声を聞く』というのは
先代の経営方針の柱だったとのこと。
Yさんからしますと、
「それが過ぎていた」のが
経営揺さぶりの理由に思えた
とおっしゃっていました。
経営方針を変えるとなれば
先代との衝突は避けられません。
ですからYさんとしましては
『一切の口出し不要』が
絶対条件だったのです。
データから“声”を読む
経営を引き継いだYさんは、
すぐに大鉈を振るい始めます。
最初に止めたのが顧客アンケート。
飲食店の場合、店の評価は
客数に如実に表れるから
というのが理由だそう。
その分、客数や客単価、
新メニューの売れ行きなど、
お客さんの満足度を知るべく
データ分析に注力されたそうです。
利益が伸び悩む一番の要因が
職人の存在にあったとのこと。
職人さんは、味のプロ。
コスト無視で味を極める、
そんな傾向が見られたそう。
同時に、人件費が高止まりしており、
経営の自由度も奪っていたとのこと。
そこで高額の退職金を用意し、
そういった人達には職場を
去ってもらったようです。
結果、先代から受け継いだ人員は
半減したとおっしゃっていました。
Yさん流分析マーケティング
しかしながら、人件費負担が軽くなり、
メニューに関してもさまざまな挑戦が
気軽にできるようになったとのこと。
Yさんは、温めていたアイデアを
次々に実行していったそうです。
それから10年後の今、
先代から受け継いだ頃に比べ、
従業員2倍、売上3倍、利益5倍。
Yさん、ぽろっとこぼされました。
正直、最初は不安だらけでした。
ただ、先代から引き継いだ以上、
私が潰すわけにいきません。
立て直すしかなかったんです。
この先も走り続けるだけですよ。
Yさんが実践するマーケティングは、
データ分析に徹する、というもの。
それも一つの方法ですね。
PS
Yさんにデータを見せていただきましたが、
その細かさ、頭が下がるレベルでした。
それをやりきるYさん、兵です!