From:伴走(Together Run)金子誠志
「お客さんのニーズ・ウォンツを探ろう」
「ニーズ・ウォンツを知ることが大事」
そんな言葉を聞くことって
ありませんか?
この場合、ニーズもウォンツも
お客さんの欲求を意味し、
同じように扱われます。
ですが、
ことマーケティングにおいては、
両者の違いを知ることが重要。
正確にいえば、
それをいかに
ビジネスに活かすか。
それを意識しているかどうかが
売上を左右しますから
バカにできません。
大きく異なるニーズとウォンツ
まずは
ニーズとウォンツの違いを
確認しておきましょう。
ニーズとは、
生活すべく必要なもの。
最低限の機能・効能のこと。
一方、ウォンツとは、
感情を満たすために欲しいもの。
+αの価値を提供すること。
言葉だけだと
分かりにくいかもしれませんから、
具体例を挙げましょう。
なぜ10倍の金額を支払うか?
移動手段の一つに
車があります。
移動するという最低限の機能だけなら、
軽自動車だろうがベンツだろうが
その目的を達することができる。
でも高級車と大衆車を比較すれば、
車種によっては価格差10倍以上。
では、なぜ軽自動車ではなく、
ベンツを買う人がいるか。
より安全にとか快適に
といった価値を求めて、
ということもあるでしょう。
ですが、多くの場合、
ステイタスの存在が大きい。
つまり、高級車に乗った
自分を見る周囲の目が、
満足をもたらすから。
それって、
移動という本質と異なる
感情の領域ですよね。
高価なブランド品が売れるのも、
本来の機能そのもの以上に
感情を満たすからに他なりません。
大企業に有利なニーズ市場
逆の言い方をすると、
機能そのもので勝負した場合、
価格競争に巻きこまれやすい。
あなたも毎日使うであろう
ティッシュペーパーを
考えてみてください。
ブランドに拘る人なんて
ごくごく少数派でしょう。
そうなると、
お客さんは少しでも安いものを
求めようとする。
価格勝負となると、
圧倒的に大企業が有利。
つまり、
ニーズで勝負する限り、
中小企業に勝ち目はない、
ということです。
感情に訴えよう!
では、どうすべきか。
はい、その通り、
ウォンツで勝負しましょう。
先ほどのティッシュの例でいえば、
ご存知『ネピア・鼻セレブ』。
クリーム成分を配合し、
既存のティッシュとは
全く異なる独自性を築きました。
当初は「ネピア モイスチャーティシュ」
という名称で発売されています。
ですが、ネーミングの問題もあり、
あまり売れませんでした。
そこで、肌触りなどの+αの価値、
その結果となる感情面の満足度を訴求し、
名前も変え、ヒットに至ったのです。
「いやいや、それは
大企業だからできたんじゃない」
ウォンツこそ売上アップの鍵
では、別の例を。
以前にご紹介しましたが、
私の知り合いのタクシードライバーさんは
通常のタクシーの10~30倍の料金です。
(正確にはハイヤーですが)
それでも指名が多く、
全ての予約を受けられないとか。
このドライバーさんも
移動という必要最低限のニーズではなく、
ウォンツという付加価値で勝負した結果。
「不安になることなく移動したい」
というお客さんのウォンツ(感情)を
しっかりつかんだわけです。
さて、あなたはウォンツに
焦点を当てていますか?
もし、不十分と感じるなら、
あなたのビジネスにどんなウォンツがあるか、
じっくり検討されてはいかがでしょう?
それがあなたのビジネスの
ブレークスルーになるかもしれません。
PS
ウォンツをどのように見つけるか?
一つ、方法をご紹介しますね。
あなたが扱う商品・サービスによって
お客さんがどのような感情の変化を
起こすか、列挙してみてください。
その変化が大きい項目を訴求するほど、
人は反応してくれるはずです。