理不尽な要求をしてくる客の対処法

From:伴走(Together Run)金子誠志

私には、自宅からほど近いところに
よく利用させていただく飲食店があります。

女性が接待してくれるとか
そういった類の店ではなく(笑)、
普通に食事を提供する、いわゆる“食堂”。

そこを切り盛りする年配の女性店主(年の頃なら
70代でしょうか)の開けっ広げさが気に入り
もう何年も通わせてもらっています。

今日はその店で起こった事件を題材に
ターゲット設定に付き、記させてください。

突然声を荒げた客の言い分

私はその店主との雑談が一番の楽しみ。
だいたいいつもビールなどをいただきつつ、
2時間ほど滞在させてもらっています。

そして事件は、「そろそろ帰るかな」と
私が思い始めていた頃に起きました。

突然、私から少し離れたところで
食事をしていた男性が声を荒げたのです。
文句の内容はこんな感じでした。

 いつも小鉢が付くのに、
 今日はなにも付かなかった。

 後から出てくるのかと思ったが
 そんな気配もない。

 いったい、どうなっているんだ

そうです、料理の内容に関する
クレームだったのです。

お客さんと戦っても意味なし

補足すると、このお店、料理を注文した
お客さんに、残り物などを使った一品を
店主がサービスすることがあります。

残り物なので、付かないこともありますし、
なにが出てくるか、わかりません。

だいたいにして、そんなサービスがあるなど、
メニューをはじめ、店のどこにも
記されていないのです。

ただ、その店主が、少しでもお客さんに
喜んで欲しいと、以前から勝手に
行っていたサービス
でした。

常連さんはそれを知っているため、
「なにか付いてきたらラッキー」
くらいに思っています。

で、このクレームの主は、
それを知らなかったのでしょう。

店主はその辺りを説明していましたが、
お客も啖呵を切ってしまった手前、
引くに引けなくなったのだと思います。

サービス中止を決めた店主

最終的には「こんないい加減な店、
二度と来るか」
と捨て台詞を残し、
店を出ていってしまいました。

店主は相当にショックを受けたようで、
その日を境に、一品サービスを
止めてしまったほど。

悲しんだのは、私を含む常連の人達。
時に試作品が出されることもありましたから、
皆さん、けっこうそれを楽しみにしていた。

最終的には、一品に関する掲示を出し、
3ヶ月くらいでサービスが復活しましたが、
さて、この件のポイントはなんだと思います?

テーマとしましては、理不尽な要求を
してくる客の対処法としていますが、
メインはそうではありません。

それは、メインターゲットが誰か、という点。

このお店は、リピーターで成り立っています。
表通りに面していないこともあり、
ふらり立ち寄るお客さんはほぼ皆無。

その客の声は聞くべきものか?

上述の声を荒げた主は、そんな稀な
お客さんの一人だったようで、店主いわく、
この日が3回目の来店だったそう。

そして、店主は、その稀な存在の一言に
ショックを受け、大多数が喜んでいる
サービスを一時的に止めてしまったのです。

実際に声高に叫ぶ一部の声を過大評価し、
運営方針などを変えてしまう経営者、
現場責任者って、少なくありません

もちろん、お客さんの声に
耳を傾けるのはとても大切なこと。

ですが、そこには重要な前提条件があります。

それが
「その声はメインターゲットのものか」
という点。

全てのお客さんを満足させる
商品・サービスはありません

ターゲットを明らかにしよう!

一方、満足しているお客さんは、
自ら「大満足です」とはいってくれない。

結果、上記店主のように
誤った行動を起こしかねません。

さて、あなたがお客さんの声を聞く際は
その辺りを意識されていますか?

そもそも、メインターゲットを
絞りこんでいらっしゃるでしょうか?

これ、中小の会社や店舗にとって
とても大切なことといえます。

できることなら、紙に書き出され、
意識されるようにしていただきたいです。

そうすることで、そのお客さんの声に
どう対処すべきか、明らかになりますし、
そもそも理不尽な客が近寄りにくくなる。

それが一番だと思いますが、いかがでしょう?

PS

お客さんを明確にする効果として、あなた自身の
ストレスが減る、という点も挙げられます。

そういった意味でも、ターゲット設定、
めっちゃ大切な取り組みですよ。

PS2

関連する以下記事も併せご覧ください。
わがままなお客さんとどう向き合うか

関連記事