売上・利益見込みの出し方、その計算方法

From:伴走(Together Run)金子誠志

売上増・客数増に向け、次の一手を
どうすべきか、そのために役立つのが
分析だ、という話を前回いたしました。

“基本のき”は大切だけど・・・

どれくらいの数のお客さんが来ているか。
その人達は新規か、リピーターか。

リピーターの場合、何回くらい来ているか。
客単価はいくらか。

そういった数字をチェックしましょう、
ということをお伝えしましたが、
ご記憶にございますか?

前回お伝えしたのは、売上分析の“基本のき”。
それはとても大切な点ですが、実は
それだけでは十分といえません。

なぜなら、前回お伝えした内容だけだと、
次に打つべき手は明らかになっても、先々の
売上がどうなるか
、予測しづらいから。

「先月の売上は○○円だった」という点は、
財務データからだってわかりますよね?

では、来月の売上がどうなるか、
財務データから見えてくるでしょうか?

もちろん、想像することは可能でしょう。
でも、その裏付けって取れますか?
難しいのではありませんか?

先々の売上を心配しませんか?

経営者から挙がる不安要因の一つに「先々
(の売上)が見えない」というものがあります。
この問題にはどう対処すればいいのでしょう?

実はそういったことも、売上の中身(数値)
を細かく見ていくと、分かるようになります。

その方法こそ、私が
『お客さん解体法』と呼ぶ手法。

要は「お客さんを“見える化”
しましょう」ということです。

どのような商品・サービスを扱うにせよ、
ビジネスって以下の流れになっていませんか?

1.買ってくれそうな見込客を見つける
2.見込客にアプローチし、購入してもらう
3.さらにアプローチし、複数回購入に繋げる

前回ご紹介した分析って、この流れでいうと、
2.の購入以降の分析ということになります。

もちろん、一度買ってくれた人が平均すると
どれくらいリピートしてくれるかとか、その時の
購入金額がいくらか、という情報も大切です。

そういったことが分かると、リピート売上が
どうなるか、予測が立つようになりますから。

見込客数をつかもう!

加えて、見込客がどのくらいおり、その人達に
アプローチすると、どれくらいの割合で買って
くれるか
もわかるとしたら、どうでしょう?

要は上の流れでいう『1.の部分』を
数字で把握できるようになったら
どうでしょう、という意味です。

来月の売上を達成するのに十分な見込客が既に
いるか、足りないとしたら、それはどれくらいの
数か、そういったことが見えてきませんか?

つまり、目標達成に十分な見込客がいるか
どうかが分かるようになる、ということ。

見込客数まで把握されている会社・店舗って多く
ありませんが、そこまでつかめるようになると、
売上をロジカルに予測できるようになります。

財務データからの売上予測は裏付けが乏しく
なりがちですが、お客さんの詳細を踏まえた
予測なら、精度がかなり高いと思いませんか?

そこで実施いただきたいのが、前回の内容に
加え、見込客数を把握する、ということです。

商品・サービスの購入サイクルにもよりますが、
“週単位”か“月単位”で、見込客が何人(何社)
増えたか(減ったか)、つかむ
ようにします。

A社の場合、来月はどうなる?

例えば、週単位にチェックするなら、
下に示した【表1】のような感じで
集計していただくとよろしいかと。

1

縦軸・一番上の「見込客獲得数」が
その週に新規に獲得した見込客の社数。

その下の「アプローチした数」というのは、
過去に獲得した見込客含め、その週になんら
かのアクション(売込み)をした社数。

その結果、残っている「未アプローチ」が翌週
以降にアプローチ可能な見込客数となります。

A社の場合、来月アプローチ可能な
会社が31社(表の右下にある赤丸の
数値)あるという状態ですね。

平均5社にアプローチすると1社の契約(20%の
成約率)を取れるとした場合、A社は来月は6社
(31社×20%=6.2社)の売上を見込めます。

B店の場合、来月はどうする?

もう一つ、例をご覧いただきましょう。
今度はB店です。

1

B店は、見込み客を集めるべく、
第1週と第3週に大々的な
プロモーションを仕掛けました。

一方、それら見込客に対し、第2週と
第4週に、100人ずつDMを送っています。

結果、来月にアプローチできるお客さんは、
242人(表の右下にある赤丸の数値)。

すると、来月にどういったプロモーションを
仕掛けるべきかも見えてくるでしょう。

こんな感じで、アプローチ可能な見込客の
数と実際にアプローチした数をチェックして
いくと売上予測が立てやすくなるんです。

こうなると売上見込みの精度が
かなりロジカル
だと思いませんか?

ということで、売上だけでなく、
見込客も把握し、確度の高い売上予測を
立てていただければ嬉しいです。

そうすることで、先々の売上に対する不安が
緩和されますし、結果、あなたのストレス減に
つながること、間違いなしですから。

PS

ここでいう見込客とは、どういった人か、
実は一つだけ必須条件があります。

それが、こちらからアクションを取れる人。
アクションとは、あなたが買って欲しいタイ
ミングに「買ってください」といえること。

売上に繋げようと思ったら
売り手側からのアクションが不可欠ですよね?

買い手の自主的は行動を待っていては、当然
ですが、いつ動いてくれるかわかりません。

ですから、メールでも電話でも訪問でも、手段は
問いませんが、こちらが商品を買って欲しいと
思った時に連絡できる人、というのが必須条件。

そこはしっかり押さえていただきたいです。

PS2

本内容の続きである、以下記事もぜひご覧ください。
成約率と売上の関係をつかみ見込精度向上へ
集客にかけられる費用の算出の仕方
売上分析の切り口“まとめ”

PS3

関連する以下記事も併せご覧ください。
集客増につなげる分析の方法『数値化』

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