良い経営者と悪い経営者、その事例

From:伴走(Together Run)金子誠志

経営に、良いとか悪いという価値観を
持ちこむことに違和感を覚える、
という人も少なくありません。

ですが、今日は敢えて
その話題に触れたく思います。

といいますのも、最近それを強く
意識した2人の経営者にお会いしたから。

ということで、今回のテーマは、「良い
経営(者)と悪い経営(者)、その事例」。
本日もお付き合いくださいませ。

良い経営ってなんだ?

中身に行く前に、そもそも
なにが良い経営で、なにが悪い経営か、
明らかにしておく必要があるでしょう。

ここでは、2人以上の組織(会社・お店)を
念頭に、働く人全員が、気持ちよく働ける
職場作り
を良い経営とさせてください。

なぜなら、そういった組織は、一人ひとりの
モチベーションが高く、成果につながる
だけで
なく、壁を乗り越えていける可能性が高いから。

お客さんからの評価が高い傾向があり、
ビジネスを長く継続している、という
特徴もあるように感じています。

さて、最近大きく考えの異なる2人の
経営者にお話をうかがう機会がありました。
仮にAさん、Bさんとしましょう。

社員対応に苦悩するAさん

まずはAさん。
起業2年目、社員との
二人三脚で仕事をされているそう。

そのAさんが、私に
こんなことを話してくれました。

僕の夢は、○○なんです。
そのために今は○○に取り組んでいます。

やるべきことがあり過ぎて、
寝る時間も惜しいくらいですよ。

起業前からの知人に声をかけ、手伝って
もらえる、ということで今の会社を始めたん
ですが、実はけっこう苦労しています。

僕としては出して欲しい成果があって、それを
伝え、本人も頑張ってくれているんですけど、
今一つ、結果につながっていないんです。

社員が最大のストレスに

僕は、結果さえ出してくれたら、仕事の仕方は
全て本人に任せようと思っているんですけど、
そんな状況なのでストレスが溜まっています。

今は以前よりミーティングを増やして
いますし、意識してコミュニケーションを
図っていますが、人を使うって難しいですね。

Aさん、現在は40代前半。
頭の回転が速く、行動力がある
ことが会話から強く感じられます。

自分のできることはきちんとこなしている
ようですが、社員とのやり取り、そしてその
結果に課題を感じていらっしゃいました。

私の経験値をいくつかお話し、Aさん
との会話を終了しましたが、別れ際の
表情は少し疲れている雰囲気でしたね。

紆余曲折30年のBさん

その翌々日、今度はBさんの
お話を聞く機会に恵まれました。

Bさんは60代前半。
会社を興して30年以上が経過した、とのこと。

途中、紆余曲折があったようですが、
今は30名ほどの会社になったそうです。

特に最初の10年は、本当に苦労したそう。
常に「なんとかしなければ」「もっと自分を
磨かなければ」
と思い続けていたとのこと。

セミナーに通い、さまざまな経営者に話を聞き、
ビジョンを作り、「これが良いよ!」といわれた
ことはなんでもした、とおっしゃっていました。

でも、業績は一向に上向かず、社員からは
突如、辞表を提出され、周囲を恨んだことさえ
ある、と苦笑しながら話してくれました。

スタイルを変えていくと・・・

次の10年、業績は今一つの状態が
続いていたそうですが、社員の定着率が
上向き始めた、とおっしゃっていました。

そしてその次の10年。
「自分がいなくても会社が回る
ようになっていったんです」と。

それで私は、こううかがったんです。
今振り返ってみて、なにをどのように
変えたんですか、と。

Bさんは、こんな風に答えてくれました。

いろいろな人に教わったりして、組織って
なによりコミュニケーションが大事って
ことは起業当初から思っていました。

ですけど、今思えば、特に最初の
10年の社員とのやり取りは、私からの
一方通行だった
と思います。

真剣に耳を傾けているか?

コミュニケーションの中でも特に
「聞くことが大事」ということは、
当時から私の頭の中にありました。

でも、当時は社員が“1”しゃべったら、
私が“9”返す、そんな感じだったんです。

聞いているつもりが、実際は
こちらの要望を話すばかりでしたね。

次の10年、その割合は、たぶん
5対5くらいになっていたのではないかと。

すると、少しずつ、社員から提案などが
挙がるようになっていったんです。

そして、その次の10年は私が
“2”くらいになったかな、と思っています。

同時に社員に、例えば挙がってきた提案を
できるだけ任せるようにした
んです。

それまでは、私が前面に出て
しまうこともけっこうありました。
でも、それを意識的に変えていったんです。

会社が勝手に回り始めた!

すると、私がいなくても、私の意を
汲みつつ、一人ひとりが、必要な判断を
してくれるようになっていったんですよ。

ですから、今は本当に重要な経営判断以外は、
私が関わることはほとんどありません。
その方が、会社が回るみたいです。

最近、娘にいわれたんですよ。
「お父さん、話を聞いてくれるように
なったね」
って。

「昔は怒ってばかりいたけど、
最近、あまり怒らなくなったね」
って。

そんなこんなで、なにが変わったかといえば、
『聞く』ということを常に実践できるように
なった、というのが一番ですかね。

結果、業績が上向き、仕事が楽になり、
笑顔が増えるようになったんでしょう。

AさんとBさんの話、いかがでしたか?
それぞれにコミュニケーションの
大切さを強く認識されています。

「聞いた」ではなく「聞いてもらえた」

起業から30年以上経つBさんは、当初から
コミュニケーションを大切にされていました。

ポイントは、相手が「聞いてもらえた」
と思えたかどうか、にあるように
感じますが、いかがでしょう?

いろいろなクライアントさんが社員の方と
接している姿を何度となく見てきましたが、
「一方通行では?」と思うこともたびたび。

そんな組織は、総じて社員に元気がなく、
社長がいないと会社が回らない状況に
あるように感じています。

さて、あなたは社員と話す際、実際の
会話の何割を聞く時間に充てていますか?
本気でその声に耳を傾けていますか?

もし、メンバーが思うように動いてくれない、
と思われているなら、一度、会話スタイルを
振り返ってみるのも良いかもしれません。

PS

今回、「良い経営(者)と悪い経営(者)」という
切り口でお2人の経営者を取り上げましたが、
Aさんも日々、本当に尽力されています。

ただ、コミュニケーションスタイル、
という点では大きく異なっていました。

結果、抱えるストレスの量が大きく違う
というのが一つの事実ではないでしょうか。

PS2

関連する以下記事も併せご覧ください。
部下が自ら動き出すコミュニケーションの方法
部下育成のためのコミュニケーション術

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