ビジネスの場で自社・自店をどう紹介するか(よくある失敗)

From:伴走(Together Run)金子誠志

今回は自社をどう紹介するか、どう見せるか、
そんな話をお伝えしたく思います。

生花店AとB、あなたはどっち派?

最初にあなたに質問させてください。
あなたは知り合いのお祝いのため、花束を
贈ることになった、という前提です。

そこで、ネットを使い、近所の花屋さんを
調べてみると、次のような2つの花屋さんが
比較的近くにあることがわかりました。

◆色とりどりの花をそろえる『A生花店』
◆プレゼントに特化した『贈答専門B生花店』

あなたの家からの距離を見てみると、
どちらもそれほど変わりません。

HPを見る限り、値段にも
大きな違いはなさそう・・・。

さて、あなたならどちらの店を選ばれますか?

この場合、多くの人がB生花店を選ばれます。

事業領域って広く見せるべき?

理由に行く前に、もう一つ、今度は具体例を。
私は仕事がら、毎月多くの人と出会います。

先日お会いした方の名刺には
こう書かれていました。

○○株式会社 ◇◇事業部
専務取締役 ××××

事業内容としては、このように
記載されています。

・ホームページ制作
・各種アプリケーション制作
・経費削減コンサルタント
・LED販売
・OA事務機器販売
・各種OA消耗品販売

私はこんな風に尋ねました。
「メイン業務はどれになるのですか?」

すると、このような答えが。
「どれかに特化しているわけではありません

その後、色々とお話をしていると、
社長さんと2人で運営する会社らしく、
土日もない程に忙しいとのこと。

「儲かって、儲かって・・・」というより
仕事になるものはなんでも受けざるを得ない
結果、多忙が続いているようでした。

さて、あなたはこの会社と
「ぜひ取引したい」と思われますか?

ビジネス領域を広く見せるデメリット

名刺に限らず、ホームページやブログ等
を通じ、自社の事業領域の広さを訴求
される方を時折見かけます

本人からすると、「少しでもビジネスチャンス
を広げたい」という気持ちの表れが
そうさせるのでしょう。

でも、これって実は大きな誤り
特に中小企業においては、絶対に
避けるべき行動といえます。

そう、絶対に・・・。

冒頭の生花店の例に戻りましょう。

贈り物をする場合、多くの方が
B生花店、つまりプレゼントに特化した
贈答専門のお店を選択します。

専門性訴求(絞込みの)メリット

理由としては、以下のようなものが
挙げられるでしょう。

◇その分野に特化した品揃えが期待できる。
 →花なら贈り物に適した生花ですね。

◇専門店の方が、その分野における
 豊富な知識・ノウハウを期待できる。

 →生花を送る場合、どういった配送業者を
  使えばいいか、といったこともあります。

◇専門店なら、専用の仕組み
 などがあり、失敗する可能性が少ない。

 →贈答なら、梱包材などが挙げられますね。

こういったことは、事細かに記して
いなかったとしても、お客さんが
勝手にそう解釈してくれます

ですから、自社の事業領域を伝えるなら、
できるだけ、絞りこむべきなんです。

絞込みでお客さんが減らないか?

このようにコンサルの場で申し上げると、
「でも、それだとお客さんが減ってしまう
のでは?
」という疑問を多く頂戴します。

が、それは逆。
上述の花屋さんがその良い例でしょう。

なぜなら、お客さんは常に最上を求めるから。
そのためには自分のニーズに最も適した
相手を探すもの
だからです。

身近な例でいえば、例えば旅先で地物の名物を
食べたいと思った際、その名物の専門店という
ことを大きく掲げた店を選択しませんか?

このように、絞込みって、特に中小企業、
あるいは個人事業主の場合、とても大事なこと。

さて、あなたの会社(お店)の
事業領域は絞りこまれていますか?

専門性を打ち出せているか、もし不安がある
なら、一度チェックされてはいかがでしょう?

PS

絞込み、専門性の打ち出しは
重要ですが、一つだけ条件があります。
それはニーズが一定量存在する、ということ。

例えば都心で、流行の食材に特化した
スイーツ専門店を開けば、それなりの
集客が見込めるでしょう。

でも、過疎の町で同じように展開したとしても、
厳しい戦いを余儀なくされるかもしれません。

「とくかく絞りこめばいい」ということ
ではなく、自社のビジネスを回せるだけの
ニーズの有無は、事前に確認すべき
ですね。

例えばその領域の情報が、ネットで
一定量検索されているかどうかなどが、
そのヒントになるでしょう。

PS2

関連する以下記事も併せご覧ください。
自社をどう紹介するかが集客を左右
名刺交換後の自己紹介で気をつけること

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